てんかんには脳に傷がつくことで発生するケースと遺伝的なケースがあります。てんかんは発作を繰り返し発症してしまう病気で年齢や性別などに関係なく発病してしまいます。てんかんの中には現代医学では原因が解明されていないものもあり不安になりますが、てんかんの治療薬は確かに存在するので一度調べてみましょう。

持たれるたくさんの薬
多様な薬

てんかんの原因には大きく2つあり、大脳に傷がつくことによって起こる症候性てんかんと、検査をしても特別な異常が見つからず遺伝が影響している可能性もある特発性てんかんがあります。

症候性てんかんの場合は、お母さんのお腹の中にいる時や出産時に何らかの原因で脳に傷を負ったことが原因になることが多いとされています。
しかし、出産時までに特に傷を負っていなくても生まれつき大脳に障害があったり代謝異常があってそれが原因で発病することもあります。

てんかんの検査、診断方法について

てんかんは発作の症状を繰り返す脳の病気で、新生児から成人まで性別も関係なく発病します。
発作の症状によっては重大な事故や怪我につながることもあるので、出来るだけ早い段階で医師に診断してもらう必要があります。

病院での検査方法は、脳波検査、血液・尿検査、CTやMRIによる画像診断と問診で、その中でも特に重要な検査は脳波検査です。
正常な状態の脳波は小さなさざ波のような形をしていますが、発作が起こると脳に大きな電流が流れるため波の形も棘のようにとがったり山のように盛り上がった形になります。
また、その波の出方によってもある程度脳のどのあたりから大きな電気が出たのかが分かります。
検査にかかる時間は30分ほどです。

一度の検査で必ずしも異常が確認できるとは限らないので、検査は何度か行う必要があるでしょう。
また、よく注意しておかないと見過ごしてしまう発作が潜んでいたり予想外の症状がてんかん発作の場合もあります。
診断が難しい場合、ビデオ撮影を行って発作が起きた時の状況と脳波の状態を同時に記録する「長時間記録ビデオ脳波モニター検査」という検査方法も存在します。
この検査は専門病院でなければ実施できないため、てんかん専門医を受診する必要があるでしょう。

血液や尿を調べることで体の詳しい状態を知ることができます。
てんかんの発作の原因は様々で思いがけないことが原因になっていることもあるため、体の状態を調べておくことは診断や治療において役に立つことです。

てんかんの原因を調べるためにCT検査やMRI検査といった画像診断を行います。
実際に大脳の状態を見ることで脳腫瘍や脳外傷があるかどうか、その場所などが分かります。
腫瘍を切除することでてんかんが治ったという例もあります。

また、発作が起きた時の状態や様子、発作が起きる前のサインを感じた場合など医師に説明する問診も大切です。
発作で倒れてしまった場合など、本人は状況を覚えておらず説明できないこともあるので家族や居合わせた人が一緒に行って説明するようにしましょう。

発作が起きる前のサインは、発作の初期症状と捉えることも出来るため、どのような前兆が起きるかによって部位を特定することができる重要な情報になります。
従って、毎回同じサインが現れることが多いとされています。
症状は手足に電気が走る、動かせない、感覚がなくなる、視界にちらちらと色んな形が見える、異音や複雑な幻聴が聞こえる、焦げ臭いにおいを感じたり甘い、酸っぱいなどの味を感じるなど多岐に渡ります。

てんかんの症状の予防はどうする?

てんかんは発作を繰り返す病気なので、まずは薬を使って発作を抑えていくことが重要になります。
症状を完全に無くすためには長い年月がかかる為、てんかんは不治の病だと自己判断して薬をやめてしまうことがありますが、そんなことを繰り返しているとてんかん症状の予防のスタートラインに立つこともできません。
まずは医師の診断に従って、発作を再発させないよう一日の決められた量の服薬を規則的に守り、必ず指示された期間は服用し続けることが重要です。

抗てんかん薬の服用以外にも日常生活の中で自分で行える、てんかんの症状の予防方法もあります。
脳も体の一部ですから、体を健康に保つ心構えは予防に役立ちます。
不規則で不健康な生活リズムは発作を誘発する原因になるため、早寝早起きなど規則正しい睡眠とバランスのとれた食事をとるといった基本的なことを疎かにしないようにしましょう。

日常生活を送っていればストレスフリーで疲れしらずといった状態を維持することは難しいですが、睡眠不足やストレス、疲労などが溜まると発作が起こりやすくなります。
自分にあったストレス解消法や眠りやすい環境作りなどを工夫するようにしましょう。
また、子どもの場合はお泊り保育や修学旅行などの宿泊行事のときは興奮して発作が起こりやすくなることがあります。
事前に医師の指導を受けるようにしておくと安心です。

発作に対する情緒的な不安自体も発作を引き起こす原因になるため、周りの人への周知や起きてしまった場合の対処法をしっかりと教わっておくことは大切です。
知らないことによる不安や、自分ひとりで何とかしなければいけないといった圧力で余分なストレスを抱えないようにしましょう。
また、子どもの場合は医師の言うとおりに規則正しい生活を送りながら薬を服用していれば発作を抑えられるので心配ないということをきちんと伝えて安心させてあげることが大切です。

ストレス解消のためにも適度な運動は効果的です。
監視や救助の目が行き届いている場所であれば特別スポーツに対する制限はありません。
つい熱中しすぎていつの間にか思ったよりも疲労が蓄積してしまう可能性もあるため、家族や友人などの見守りのもと無理をして疲れすぎないように気を付けましょう。

また、強い光で発作が起きやすくなるため、ゲームやアニメ、映画などの演出による強い光刺激には注意が必要です。
遊園地やテーマパークのアトラクションにも凝った光の演出があるものがあります。
できるだけ強い光の刺激は受けないように配慮しましょう。

てんかんは不治の病ではない

てんかんの治療方法には抗てんかん薬による薬物治療、手術による外科的治療、食事療法などがあります。
昔はてんかんは不治の病とされ、薬を服用し続けることによって発作をできるだけ減らしていくしかないと思われていましたが、現在では、てんかんは決して不治の病などではありません。

てんかんの治療においては、まずは発作が起こりにくくなるように抗てんかん薬を規則正しく服用することが大前提になります。
発作の起こりにくい安定した状態が数年以上続くと薬がなくても発作が起こらなくなることを期待できます。

抗てんかん薬にも種類がいくつもある為、服用を続けて症状を報告することを続けることでその人にあった薬剤を探すことになります。
1年以内にはこの薬剤調整が終了するので、もしもここまでで全く発作が無くなる様子がなければ、入院を行い長時間ビデオ脳波モニタリング検査を実施してもらえるてんかん専門医を紹介してもらいましょう。

また、子どものてんかんの場合には「ローランドてんかん」という一定の年齢に達することで発作が起きなくなる良性てんかんもあります。
3歳から14歳にかけて多く起こりますが特別な脳障害はありません。
ほとんどの場合は思春期以降に自然に発作は起きなくなります。
しかし、一見ローランドてんかんのように見せかけて実は脳病変が隠れている場合もあり知能や言語、行動などに悪影響が出ることも全くないわけではないため、定期的に脳波検査も行い経過を見守りながら治療を続ける必要があります。

てんかんの食事療法にはケトン食療法というものがあります。
「ケトン食」とは2016年に厚生労働省に認可された保険適用のてんかん食です。
まだ日本ではあまり知られておらず限られた施設でしか実施されていないのが現状ですが、薬でなかなか症状が改善されない場合や手術が行えない場合に有効な治療方法です。

ケトン食療法は糖と炭水化物を減らして代わりに脂肪を増やした食事で脂肪が分解されてケトン体が体内で作られ効果を発揮します。
脂肪、たんぱく質、糖質・炭水化物の比率を一定になるように毎食計算されています。
自主的にケトン食に近づけるには出来るだけ米やパン、パスタなどの炭水化物は摂取しないようにし、卵、豆腐、肉や魚主体の食事に食用油を添加したりします。
いずれにしても病状と相談しながら医師と栄養士の指導のもと適切に行いましょう。

以上のように、数年という期間はかかりますが完治に向かうことができるということ、そして治すことが難しいとされている種類のてんかんさえ、治療方法が存在するということからも諦めずに向き合っていくことが大切になります。